札ログ

札ログ 解説記事

札ログを使って競技かるたで強くなる|試合データから課題を見つける7つのヒント

競技かるたの試合を振り返るとき、「今日は相手陣であまり取れなかった」「この札は苦手な気がする」と感じることはありませんか?

こうした感覚は、練習の課題を見つけるための大切な手がかりです。

一方で、試合中の印象と、実際の取得結果が必ずしも一致するとは限りません。

札ログでは、試合ごとの勝敗や札の取得結果、札の位置などを記録することで、自分のかるたの傾向をデータから振り返ることができます。

例えば、相手陣のどの位置が苦手なのか、自陣では取れないのに相手陣では取れている札はないか、送った札をどのくらい取れているか、といったことも調べられます。

記録を眺めるだけで終わらせず、次の練習や試合にどう活かしていくか。

この記事では、札ログの分析機能を使って、自分の強みや課題を発見するための7つのヒントを紹介します。

※記事中の取得率や枚数は説明用の架空の例です。実際の分析結果ではありません。

1. 自陣・相手陣の苦手な場所を探してみよう

最初に試してみたいのが、札の位置による取得率の違いを調べることです。

自陣と相手陣では、札への反応や取り方が異なります。また、同じ陣の中でも、左右や段によって得意・苦手があるかもしれません。

例えば、相手陣の下段が苦手だったら?

札ログで分析したところ、次のような結果が出たとします。

位置取得率
相手陣全体55%
相手陣上段62%
相手陣中段58%
相手陣下段35%

この場合、相手陣の中でも下段の取得率が低いことが分かります。

これまで「相手陣が苦手」と感じていたとしても、実際には下段に課題が集中しているのかもしれません。

札ログでの調べ方

「分析」画面の「位置」タブを開き、陣と段を組み合わせた取得率を確認します。

さらに細かく調べたい場合は、位置を選択して、その場所で取れている札・取られている札を確認できます。

位置タブの「陣×段」。相手陣と自陣それぞれの、下段・中段・上段の取得率が表示されている
位置タブで、相手陣・自陣の上段・中段・下段の取得率を確認する(画像は架空のデータです)。

次の練習で試してみる

相手陣の下段が苦手だと分かったら、練習中にその位置の札への反応を意識してみましょう。

取りにいく際の動きや、札の配置を覚えるときの意識など、改善できそうな点がないか考えてみます。

ただし、取得率が低い理由が位置だけにあるとは限りません。その場所に置かれていた札の種類や、対戦相手の特徴なども影響します。

まずは「下段が苦手かもしれない」という仮説を持ち、次の試合で意識してみることが出発点です。

2. 得意な札・苦手な札を見つけて練習に活かそう

競技かるたを続けていると、得意な札や苦手な札が少しずつできてくるものです。

ただ、その印象は本当に取得結果と一致しているでしょうか?

札ログでは、札ごとの取得率を確認できるため、感覚と実際の結果を比較できます。

取得率の低い札を探してみる

例えば、ある札を10回記録して、自分が取れたのが3回だったとします。

その札の取得率は30%です。

ほかの札と比べて取得率が低ければ、自分にとって苦手な札の候補と考えられます。

逆に、10回中8回取れている札があれば、得意な札の候補かもしれません。

札ログでの調べ方

「分析」の「札」タブで「札ID別」を選ぶと、札を一枚ずつ確認できます。

「取得率が低い順」に並び替えれば、苦手な札の候補を探せます。

また、「札取抄」の得意・苦手ハイライトからも、特徴的な札を確認できます。

札ID別の画面。取得率が低い順に、札ごとの取得率と件数が並んでいる札取抄の「得意・苦手ハイライト」。得意な札と苦手な札が取得率と枚数つきで並んでいる
札ID別の取得率を低い順に並べた画面(左)と、札取抄の得意・苦手ハイライト(右)(画像は架空のデータです)。

次の練習で試してみる

取得率の低い札が見つかったら、なぜ取れていないのかを考えてみます。

決まり字の変化に反応できていないのか、札の場所によって取りにくいのか、それとも特定の相手との試合で取られているのか。

原因によって、意識したい練習も変わってきます。

また、得意な札にも注目してみましょう。なぜその札は安定して取れているのかを考えることで、ほかの札にも応用できる発見があるかもしれません。

苦手を克服するだけでなく、自分の強みを知ることも、上達のための大切なヒントになります。

3. 自陣と相手陣の取得率から、送り札を考えてみよう

送り札を考えるときにも、過去の取得結果が参考になるかもしれません。

例えば、自陣ではあまり取れていないのに、相手陣ではよく取れている札があったとします。

ある札の取得結果取得率
自陣での取得率30%
相手陣での取得率70%

この札は、自陣にあるより相手陣にある方が、自分にとって取りやすい可能性があります。

もちろん、取得率だけで送り札を決めることはできません。

それでも、普段の送り札の判断を振り返るための材料にはなります。

札ログでの調べ方

「分析」の「位置」タブで自陣・相手陣の区分を選び、そこから札ごとの取得結果を確認します。

自陣と相手陣、それぞれで取得率の高い札・低い札を探してみましょう。

自陣に絞り込んだ札ID別の画面。「位置で絞り込み中: 自陣」と表示され、札ごとの取得率が並んでいる相手陣に絞り込んだ札ID別の画面。「位置で絞り込み中: 相手陣」と表示され、札ごとの取得率が並んでいる
自陣(左)と相手陣(右)に絞って、札ごとの取得率を確認する画面(画像は架空のデータです)。

次の試合で試してみる

自陣で取れていない札が、相手陣ではよく取れていると分かったら、送り札の候補として意識してみるのも一つの方法です。

反対に、相手陣では取れないものの、自陣では安定して取れている札なら、自陣に残すことを考えてみてもよいでしょう。

ただし、送り札には相手の得意・苦手や、残っている札、試合の展開など、さまざまな要素が関わります。

過去の取得率は、あくまで判断材料の一つです。

データを参考にしながら、自分なりの送り札の考え方を整理してみる。 そんな使い方ができると面白いと思います。

4. 送った札・送られた札の取得傾向を調べてみよう

送り札について、もう少し詳しく考えてみましょう。

札ログでは、送った札や送られた札を記録することができます。

これらの取得結果を分析することで、札を送ったあと、自分でどのくらい取れているのかを確認できます。

送った札を、自分で取れている?

例えば、次のような結果が出たとします。

相手陣の札取得率
自分が送った札35%
それ以外の札60%

この場合、自分が送った札の取得率が、ほかの相手陣の札より低いことが分かります。

送る札の選び方に改善の余地があるかもしれませんし、送った札に対する意識や反応に課題があるのかもしれません。

札ログでの調べ方

「札取抄」では、送った札の取得率と、それ以外の相手陣の札の取得率を比較できます。

同様に、送られた札と、それ以外の自陣の札の取得率も確認できます。

また、「分析」の「位置」「クロス」タブでは、送った札・送られた札に絞って、位置や札の種類による傾向を調べられます。

札取抄の「送った札・送られた札」。送った札の取得率と、送った札以外の相手陣の取得率、送られた札の取得率と、送られた札以外の自陣の取得率が表示されている
札取抄の「送った札・送られた札」の比較(画像は架空のデータです)。

次の練習で試してみる

例えば、送った札の取得率が低い場合には、どのような札を送ったときに取れているのか、取られているのかを調べてみましょう。

決まり字の長さによって違いがあるかもしれませんし、置かれた位置による違いがあるかもしれません。

ただし、送る札は無作為に決めているわけではないため、送った札とそれ以外の札の取得率を単純に比較するだけでは、送り札の良し悪しは判断できません。

それでも、自分の送り札の傾向を知り、次の試合で試したいことを考えるためには、役立つデータになると思います。

5. 決まり字の長さによる得意・苦手を探してみよう

札による得意・苦手は、一枚ずつの違いだけではありません。

1字決まりや2字決まり、3字以上の札など、決まり字の長さによっても傾向があるかもしれません。

決まり字の長さで取得率を比較する

例えば、次のような結果が出たとします。

決まり字の長さ取得率
1字決まり65%
2字決まり58%
3字以上40%

この場合、長い決まり字の札ほど取得率が低い傾向が見られます。

もちろん、札の種類や対戦相手の違いなども関わるため、決まり字の長さだけが原因とは限りません。

札ログでの調べ方

「分析」の「札」タブで「決まり字長別」を選ぶと、決まり字の長さごとの取得率を確認できます。

さらに「クロス」タブを使えば、決まり字の長さと位置を組み合わせた分析もできます。

札タブの決まり字長別の画面。1字決まりから6字決まりまでの取得率と件数が表示されているクロスタブ。決まり字の長さと、相手陣右・相手陣左・自陣左・自陣右を組み合わせた取得率の表が表示されている
決まり字長別の取得率(左)と、クロスタブ(右)(画像は架空のデータです)。

次の練習で試してみる

例えば、3字以上の札の取得率が低いと分かったら、そうした札に共通する課題がないか考えてみましょう。

さらに、自陣では取れているけれど相手陣では取れていない、という違いが見つかるかもしれません。

このように、札の特徴と位置を組み合わせることで、より具体的な課題の候補が見えてくることがあります。

6. 勝った試合と負けた試合の違いを調べてみよう

ここまでは、主に札や位置による違いを見てきました。

今度は、勝った試合と負けた試合を比較してみましょう。

負けた試合では、どこで取れていない?

例えば、次のような結果が出たとします。

項目勝った試合負けた試合
自陣の取得率65%48%
相手陣の取得率58%54%

この例では、相手陣の取得率の違いは比較的小さい一方、自陣の取得率には大きな差があります。

勝った試合と負けた試合の違いを考えるうえで、自陣での取り方に注目するきっかけになるかもしれません。

札ログでの調べ方

「札取抄-比べ-(試作版)」を開き、「勝ち負け」を選ぶと、勝った試合と負けた試合の取得率を比較できます。

自陣・相手陣の違いだけでなく、位置や決まり字の長さによる違いも確認できます。

札取抄-比べ-(試作版)の画面。「勝ち負け」を選んだ状態で、勝ち試合と負け試合の取得率を比べる棒グラフが表示されている
札取抄-比べ-(試作版)で、勝った試合と負けた試合を比較した画面(画像は架空のデータです)。

次の練習で試してみる

勝った試合と負けた試合で大きく異なる部分があれば、その理由を考えてみましょう。

ただし、勝敗による違いは、対戦相手の強さや試合展開などによっても生じます。また、取得率が低かったことが敗因なのか、試合全体の流れの結果なのかも、このデータだけでは分かりません。

比較結果は、勝敗の原因を断定するものではなく、試合を振り返る際に注目するポイントを見つけるためのものとして活用するのがおすすめです。

7. 過去の自分と比較して、成長を確かめよう

札ログの記録を続けていくと、過去の自分と今の自分を比較できるようになります。

例えば、相手陣の下段を意識して練習したあと、実際の取得率がどのように変わったかを確認することもできます。

練習前と練習後を比較する

次のような変化があったとします。

項目以前最近
相手陣全体の取得率50%55%
相手陣下段の取得率30%48%

以前は苦手だった相手陣下段の取得率が、最近は改善しているように見えます。

もちろん、対戦相手や札の配置による違いもあるため、練習の効果だけで変化したとは限りません。

それでも、取り組んできたことを振り返るための一つの材料になります。

札ログでの調べ方

「札取抄-比べ-(試作版)」では、「期間」や「直近の試合」を選び、以前の記録と最近の記録を比較できます。

また、「分析」画面の期間絞り込みを使って、それぞれの期間の結果を確認することもできます。

札取抄-比べ-(試作版)の画面。「直近の試合」を選んだ状態で、直近5試合とその前の5試合の取得率を比べる棒グラフが表示されている
札取抄-比べ-(試作版)で、直近の試合とその前の試合を比較した画面(画像は架空のデータです)。

次の練習で試してみる

例えば、次のように記録と練習を組み合わせてみましょう。

  1. 札ログで苦手な札や位置を見つける
  2. 次の練習で、その札や位置を意識してみる
  3. 試合の結果を引き続き記録する
  4. 何試合か積み重ねたあと、もう一度分析する
  5. 変化を確認し、次に取り組む課題を考える

一度の試合で結果が変わらなくても、焦る必要はありません。

記録を積み重ねていくことで、少しずつ変化が見えてくることもあります。

分析するときに大切にしたい3つのこと

ここまで7つのヒントを紹介しましたが、最後に、分析結果を活用するうえで大切にしたいことを整理します。

1. データが少ないときは、結論を急がない

例えば、ある札を2回記録して2回とも取れなかったとしても、それだけで苦手な札だとは言い切れません。

札ログには取得率とともに記録した件数も表示されます。

取得率だけでなく、何回記録されているかを確認しましょう。

特に、位置や札の種類を細かく分けるほど、一つひとつの区分に含まれる札の数は少なくなります。

少ないデータから見つかった傾向は、まず仮説として扱うのがよいでしょう。

2. 取得率だけで上達を判断しない

取得率は、自分のかるたを振り返るための重要な情報ですが、それだけで実力のすべてが分かるわけではありません。

対戦相手の強さ、試合展開、札の組み合わせなどによっても、取得率は変わります。

また、苦手な札を克服しようと意識した結果、一時的に取得率が下がることもあるかもしれません。

数字は一つの材料として、実際の試合で感じたことや、練習相手からのアドバイスなども大切にしましょう。

3. 一度にたくさんの課題を見つけなくてもいい

札ログを使うと、さまざまな角度から自分のかるたを分析できます。

しかし、見つかった課題をすべて同時に改善しようとする必要はありません。

まずは、気になった札や位置を一つ選んで意識してみる。

しばらく記録を続けて、変化を確かめてみる。

そんな小さな積み重ねでも、分析を活用する意味は十分にあると思います。

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